屋久島エリア

神秘の森と樹齢千年超の巨木が待つ世界自然遺産・屋久島2泊3日

屋久島(鹿児島県)

苔と清流が作り上げた神秘の森・白谷雲水峡へのトレッキングで足慣らしをした翌日に、屋久島の森の王者・縄文杉に会いに行く、2泊3日の屋久島観光王道プランです。最終日は海中に湧く温泉で登山の疲れを癒し、新名物のヤクシカグルメを堪能しましょう。

Summery

1日目午前:鹿児島港から高速船で宮之浦港へ

種子・屋久高速船ターミナルから宮之浦港へ

種子島、屋久島への高速船はここから出港している

宮之浦港到着。遠景の山々が屋久島来島を実感させてくれる

屋久島への高速船のターミナル(種子・屋久高速船ターミナル)は、鹿児島港南ふ頭にあります。鹿児島中央駅から路線バス利用で約15分、天文館周辺からは徒歩15分ほどです。登山目的の利用者が多い早朝の便は、座席指定を求めて長蛇の列ができるなどターミナル内はかなり混雑しますので、出港時刻より30分以上早めの到着を心がけましょう。高速船に乗り込みいよいよ出港!約2時間で屋久島到着です。船内では登山ルールに関するビデオ上映もあるので、しっかりチェックしておきましょう。

 

<次のスポット[白谷雲水峡]まで>

バスで約35分

1日目午前:白谷雲水峡トレッキング開始

白谷雲水峡トレッキングスタート

白谷雲水峡入口。ここで協力金を支払い、コースガイドをもらおう

いこいの大岩。この大きな花崗岩を越えて進む

分岐路にはこのような案内板が設置してあるので安心

ついにトレッキング愛好家憧れの島・屋久島に上陸です。早速、高速船の到着に合わせて運行しているバスで「白谷雲水峡」へ向かいます。荷物が多い場合は、高速船ターミナルや徒歩すぐのフェリーターミナルにあるコインロッカーを利用しましょう。車窓から見える宮之浦の町がどんどん小さくなる、カーブの多い急勾配を進むこと約40分、標高約800mに位置する白谷雲水峡入口に到着です。軽くストレッチを済ませて、清流と苔の森へ出かけましょう!

1日目午前:水が織りなす渓谷美を堪能

アップダウンの少ない楠川歩道をチョイス

これが飛流おとし。花崗岩の急斜面を滑るように水が落ちる

さつき吊り橋。眼下に広がる白谷川の美しい景観も必見

空洞の下には木道が整備されているくぐり杉

白谷雲水峡には弥生杉コース、奉行杉コース、楠川歩道コースと3つの散策コースがあります。今回は帰りのバスの時間も考えて、5~6時間ほどで往復できる楠川歩道コースを選びます。整備された道と並行して流れ落ちる「飛流おとし」を左手にしばらく進むとさつき吊り橋です。この橋を渡らず進むと奉行杉コース、三本足杉や奉行杉など個性的な屋久杉に出合えます。次回の訪問でぜひトライしてみましょう。橋を渡り、江戸時代に薩摩藩が年貢の杉を運ぶために整備したという楠川歩道を進みます。1時間ほど山道を進むと「くぐり杉」、その先がランチを取るのにおすすめの「白谷小屋」です。

1日目午後:苔むす森・太鼓岩でビューを満喫

美しい苔が包み込む苔むす森に感動

多くの人が利用するので昼食をすませたら速 やかに場所をあけよう

白谷雲水峡のハイライト・苔むす森

この辻峠から太鼓岩に行く際は、ここに荷物を置いて行こう

眼下に屋久島の森を一望する太鼓岩

命の連鎖を実感できる二代大杉

水場やトイレがある白谷小屋で昼食タイムにしましょう。白谷小屋から約15分で神秘の森・「苔むす森」です!大きな岩や木々を苔がびっしりと覆い尽くす幻想的な風景が広がります。さらにここからしばらく進むと、屋久島きってのビュースポット・太鼓岩です。開放感抜群の景色を堪能したら、来た道を戻ります。帰りのバスの時間に間に合うよう、ペースを考えながら歩きましょう。さつき吊り橋を渡り左に曲がって5分ほどの場所には初代の切株の上に二代目が成長した切株更新の杉・二代大杉があります。時間と体力に余裕があったら行ってみましょう。

 

■スポット情報

白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)

住所:鹿児島県屋久島町

アクセス:宮之浦港からバスで約35分(車で約30分)

滞在所要時間:約5時間目安

 

<次のスポット[安房]まで>

バスで約1時間

1日目夜:明日に備えて宿で寛ぐ

夜は宿で早めの就寝を

白谷雲水峡を満喫したら再びバスに乗り、宿泊先の安房へ移動します。バス停小原町で安房方面行きに乗り換えてください。安房集落は縄文杉登山のスタート地点・荒川登山口へのバス発着所に近く、飲食店も多いので縄文杉登山の前泊におすすめのエリアです。宿に着いたら明日の準備をしっかり整えて、明朝利用するバスの時間も忘れずチェックしておきましょう。宿で夕食を済ませたら早めに休みましょう。

 

<次のスポット[屋久杉自然館]まで>

車で約7分

2日目午前:荒川登山バスで登山口へ移動

登山バスに乗って、登山口に出発

バスは1日4〜6便運行。乗り遅れないように注意して

空にはまだ星が見える午前3時30分に起床。忘れ物がないかもう一度確認し、荒川登山バスの発着所「屋久杉自然館」まで路線バスで移動します。屋久島に2社あるバス会社では早朝便を運行していますが、1〜2便なので乗り遅れないよう気をつけましょう。荒川登山口へは3~11月の間、一般車両の立ち入りが禁止されているため荒川登山バスを利用します。バスチケットの車内販売はないので、宿や観光協会などで事前に購入しておきましょう。

 

※「荒川登山バス」についての詳細は下記でご確認ください。

屋久島観光協会

 

<次のスポット[荒川登山口]まで>

バスで約35分

2日目午前:縄文杉登山開始

往復10時間の長丁場、いよいよスタート!

荒川登山口。まだ登山届けを提出していないならここで出しておこう

マイナスイオンを感じながらトロッコ軌道をひたすら歩く

山小屋のようなトイレ

コースの起点・荒川登山口に到着。長い道程になるので準備体操は念入りに行いましょう。ここから遥か先の森の中に立つ「縄文杉」を目指し出発です。大株歩道入口までは、伐採した屋久杉の運搬用に使われていたトロッコ軌道を歩きます。途中、かつて人々が暮らしていた小杉谷集落跡や樹高が38.4mと屋久杉の中で一番のノッポ・三代杉などに立ち寄りながら歩くこと約3時間、大株歩道入口に到着です。トイレや水場があるので、しばし休憩を取りましょう。

2日目午前:ウィルソン株に到着

ウィルソン株に到着。ハート型の空は必見

これがウィルソン株。中の空洞は10畳ほどの広さがある

携帯の待ち受けにすると恋愛運UPなんて噂も!?

大株歩道へ入ったら本格的な登山道が続きます。木の根の上を歩いたり岩を登ったり…とかなり歩きにくくなりますが、森の奥に進んでいる実感も湧いてきます。しばらく歩くと見えてくる大きな切り株が「ウィルソン株」です。この切り株を世界に紹介したイギリス人の植物学者・ウィルソン博士にちなんで名付けられました。切り株の空洞から見上げると空がハート型に見えると評判で、SNSでも話題のスポットです。

2日目午後:縄文杉に到着

悠然と立つ森の王者・縄文杉とご対面

遥かなる時を超えてきたその姿に命の強さと尊さを感じる

見学は2017年に新設された展望デッキから

ランチタイムは縄文杉から10分ほどの高塚小屋で

いよいよ森の最深部へ。急な坂道と階段を進み、樹齢3000年以上といわれる大王杉を過ぎたあたりからが世界自然遺産登録区域です。繋がった枝が手をつないでいるように見える合体木・「夫婦杉」から歩くこと約40分。ついに太古の時代から屋久島の森を見守ってきた「縄文杉」とご対面です。その存在感に、ただただ圧倒されます。縄文杉のパワーをしっかり受け取って昼食を済ませたら、下山の準備をします。大株歩道までは手でバランスを取って、時には足だけでなく手で木の根、岩などを掴みながら下山しましょう。そこから先のトロッコ軌道では大股でテンポ良く歩くのが疲れないコツです。

 

■スポット情報

縄文杉登山(じょうもんすぎとざん)

住所:鹿児島県屋久島町

アクセス:屋久杉自然館からバスで約35分

滞在所要時間:往復約10時間目安

 

<次のスポット[安房]まで>

バスで約45分

2日目夜:地魚と焼酎で夕食

縄文杉登山の余韻を楽しみつつ焼酎で乾杯

地元で水揚げされた鮮度抜群の魚介をお寿司で味わおう

18時発の荒川登山バス最終便に乗り込み終点の屋久杉自然館へ向かいます。ここからはタクシーで宿へ戻ります。荷物を降ろし、お風呂で汗を流した後は、お待ちかねの夕食です。縄文杉登山達成を記念して、屋久島の地魚と島の焼酎を楽しみます。首折れサバやトビウオ、カツオ、カメノテなど、島ならではの魚介料理と爽やかな風味の焼酎は相性バッチリ。おいしくていくらでも飲めそうですが、ほろ酔い程度に留めて宿へ戻りゆっくり休みましょう。

 

<次のスポット[盛久神社]まで>

車で約3分

3日目午前:屋久島プチドライブ

最終日は屋久島をプチドライブ!

来島記念に絵馬を奉納する人も多い

複雑に絡み合うガジュマルの姿はどこか神秘的

予約していたレンタカーをピックアップし、プチドライブに出発です。最初に訪れるのは、平家の武士・平盛久を祀る「盛久神社」です。木々に囲まれた小さな古社ですが、屋久島で唯一、屋久杉の絵馬を奉納できる神社と聞けば立ち寄らずにはいられません。参拝を済ませたあとは車を走らせ、樹齢100年以上のガジュマルが約100平方メートルに渡って群生する「猿川ガジュマル」に到着。昨日まで見ていた山の森とは一変、さながらジャングルのような光景に屋久島の自然の多様性を実感します。

 

■スポット情報

盛久神社(もりひさじんじゃ)

住所:鹿児島県屋久島町安房

アクセス:宮之浦港から車で約28分

滞在所要時間:20分目安

 

猿川ガジュマル(さるかわがじゅまる)

住所:鹿児島県屋久島町平野

アクセス:宮之浦港から車で約35分

滞在所要時間:20分目安

3日目午前:海中温泉で入浴体験

海中に湧く温泉で登山の疲れを癒そう

目の前に広がる大海原を眺めながらのんびり温泉タイム♪

湯泊温泉は潮の満干に 関係なく利用できる

猿川ガジュマルを見学した後は県道77号をひたすら南下します。信号はほとんどなく交通量も少ないので快適に走れますが、スピードの出し過ぎは厳禁です。しばらくすると現れる案内板に従い、海側へのびる枝道を進むと、お目当ての海中温泉到着です。海の中に湧く温泉で、干潮時の約4時間だけ岩礁の窪地が湯船になり入浴できるという珍しい温泉です。自然を生かした温泉なので脱衣所などの施設はなく、また混浴での利用となります。タオルや水着着用不可ですがパレオを巻いての入浴は許可されています。残念ながら干潮時間でなかった場合は、近くにある湯泊温泉もおすすめです。

 

■スポット情報

平内海中温泉(ひらうちかいちゅうおんせん)

住所:鹿児島県屋久島町平内

アクセス:宮之浦港から車で約1時間

滞在所要時間:30分目安

 

<次のスポット[宮之浦]まで>

車で約55分

3日目昼:新名物のヤクシカを堪能

新名物・ヤクシカをランチで味わう

臭みもなくやわらかいと好評のヤクシカ肉

波音を聞きながらの入浴タイムを楽しんだ後は、高速船のターミナルがある宮之浦に戻り、話題のヤクシカグルメを堪能します。数年前に食肉処理施設ができたことにより、それまでは地元の猟師さんなど限られた人たちだけが味わえたヤクシカの肉を、島内の飲食店でも食べられるようになり、さまざまなメニューで提供しています。高タンパクで低脂肪、ヘルシーこの上ないヤクシカ料理をぜひ味わって帰りましょう。

 

<帰路へ>

鹿児島港(種子・屋久高速船ターミナル)まで高速船で約2時間40分