隠岐諸島エリア

島後・西ノ島町ハイライト巡り2泊3日プラン

島後(島根県)西ノ島(島根県)

島後と島前(西ノ島町、海士町、知天村)からなる隠岐諸島は、島根県松江市の七類港からフェリーで約2時間30分の距離にあります。主要4島のうち最大の島である島後をまず観光、さらに島前の西ノ島へ渡り、ダイナミックな景勝地を中心に観光する2泊3日のコースです。

Summery

1日目午前:七類港からフェリーで隠岐の島町(島後)へ

本土から隠岐諸島へはフェリーが1日2〜3便運航 

七類港9時発のフェリー「おき」は島後・西郷港に11時25分に到着

島後到着後、西郷港周辺のレンタカー店へ。島後も島前も島内の移動はレンタカーが便利です。4島間の移動は、フェリーのほか高速船のレインボージェットもあり1日3~4便の運航なので、時刻表をチェックしてスケジュールを立てておきましょう。飛行機で隠岐空港に到着する場合は、あらかじめレンタカーを予約し空港まで配車か送迎をしてもらうのがおすすめ。

ランチは名物の隠岐そば

サバやアゴなどを焼いてだしをとることが多い隠岐そば

隠岐そばは隠岐島の名物料理のひとつで、つなぎの小麦粉を一切使わないことで、箸上げが難しいほど切れやすいのが特徴。その分、そばの香りや味がしっかり楽しめる一品です。だしを焼サバからとり、薬味にネギ、岩ノリ、ユズ、煎りゴマなどを使うものが一般的で、西郷港周辺のいくつかの店でもいただくことができます。島後だけでなく島前の飲食店でも提供しているところはあるので、滞在中に一度は食べておきたいものです。

 

<次のスポット[佐々木家住宅]まで>

車で約10分

1日目午後:島後の西側をドライブ

島後最古の民家を訪問

戸口3箇所はかつて迎える客の位によって使い分けられていた

建物は建築当時からほとんど改築されていないというから驚き

まずは、天保7年(1836)に建てられた杉皮葺き石置き屋根の木造住宅「佐々木家住宅」へ。国の重要文化財に指定されている建物には戸口が3箇所に設けられ、部屋が鍵型に並ぶなど隠岐地方独特の特徴が見られます。3〜11月の開館中は建物内部の見学ができるので、島後最古の旧庄屋住宅を訪れて、当時の隠岐の暮らしに思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

 

<次のスポット[浄土ヶ浦]まで>

車で約30分

一休和尚ゆかりの海岸を散策

澄みきった美しい海水をたたえる美浜

透明度の高い海水が満ちる美しい浜に、のこぎりのように切り立った断崖がそびえる独特の景観が特徴の「浄土ヶ浦」に到着です。そのインパクトある景観もさることながら、周辺には北方系、南方系、大陸性の植物が混在する独特の環境が広がります。かつては一休和尚もこの地を訪れたことがあるといわれており、浄土ヶ浦の地名も和尚の詠んだ句からのものだとされています。周辺には遊歩道が整備されており、景観を眺めながらゆっくり散策するのもおすすめです。

※2021年3月現在遊歩道は、一部通行止め

 

<次のスポット[隠岐国分寺]まで>

車で約40分

西郷港周辺の2つの歴史スポットにお参り

後醍醐天皇の行在所跡が残る隠岐国分寺

隠岐三大神社の一つ玉若酢命神社

1日目の最後は、西郷港周辺に戻って港から車で10分圏内の2つの寺社にお参りしましょう。1つ目は「隠岐国分寺」で、後醍醐天皇の行在所跡が残る寺です。平安時代から伝承され、国の重要無形民俗文化財でもある「隠岐国分寺蓮華会舞(おきこくぶんじれんげえまい)」が毎年4月21日に奉納されている寺でもあります。

続いては、隠岐国分寺から車で5分の場所にある「玉若酢命神社」へ。本殿が隠岐造りの建物で、随神門、旧拝殿などとともに国指定の重要文化財です。境内の八百杉は樹齢約2000年といわれており、その存在感に圧倒されます。

1日目は西郷港周辺の宿に宿泊します。

 

■スポット情報

佐々木家住宅

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町釜カス谷17

アクセス:西郷港から車で約10分

滞在所要時間:30分目安

 

浄土ヶ浦

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町布施

アクセス:西郷港から車で約40分

滞在所要時間:20分目安

 

隠岐国分寺

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町池田風呂前5

アクセス:西郷港から車で約10分

滞在所要時間:20分目安

 

玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町下西713

アクセス:西郷港から車で約5分

滞在所要時間:20分目安

2日目午前:島後東側の名物景勝地を巡る

海辺に整然と並ぶ舟小屋群を眺める

舟小屋の奥には山岳信仰で有名な高田山がそびえる

2日目のスタートは、日本の白砂青松百選にも選ばれている「屋那の松原」と、多数の舟小屋が海に向かって並ぶ「舟小屋群」を見に行きます。舟小屋は杉皮葺の屋根に浜辺の石が乗せられた船のアパートのようなもので、今も地元の漁師によって使われています。屋那の松原はその昔、若狭の国から隠岐にやって来た尼僧の八百比丘尼(やおびくに)によって、一晩のうちに植えられたという伝説も残っています。

 

<次のスポット[壇鏡の滝]まで>

車で約30分

神秘的な雰囲気に包まれたパワースポットへ

落差40mで迫力満点の壇鏡の滝

隠岐の島町の山深い森の中にあって、神秘的な雰囲気を醸し出すパワースポットとしても知られる「壇鏡の滝」へ到着です。屏風を重ねたような岸壁の左右から、高さ50mの雄滝と高さ40mの雌滝が流れ落ちています。2つの滝の間には壇鏡神社があり、あたりは、滝から放たれるミストに包まれてマイナスイオンに満ちた世界が広がります。周辺の渓流には、天然記念物のオキサンショウウオが生息しています。

 

<次のスポット[ローソク島]まで>

車で約45分

海中に立つそそり奇岩は隠岐の島町のシンボル!

第1展望台から眼下に見下ろすローソク島

第2展望台では目線の高さまで降りて見ることができる

隠岐の島町のシンボル「ローソク島」が眺望できる展望台へ向かいます。巨大なローソクのような形をした奇岩が海中に突き出しているさまは必見です。4〜10月に運航する「ローソク島遊覧船」からは、島の先端と夕日が重なってまるでローソクに火を灯したような神秘的な光景を見ることができます。展望台からはこの光景は見られませんが、高さ340mの第1展望台からは渦巻く荒波のただ中にあるローソク島を見下ろすことができ、さらに約840m遊歩道を歩いた先にある高さ40mの第2展望台からは、そびえ立つシルエットを横から眺めることができます。

 

■スポット情報

屋那の松原・舟小屋群(やなのまつばら・ふなごやぐん)

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町都万

アクセス:西郷港から車で約50分

滞在所要時間:30分目安

 

壇鏡の滝(だんぎょうのたき)

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町那久

アクセス:西郷港から車で約40分

滞在所要時間:20分目安

 

ローソク島展望台

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町久見

アクセス:西郷港から車で約40分

滞在所要時間:40分目安

 

<次のスポット[島前の西ノ島町]まで>

車で約30分+高速船で約35分

2日目午後:高速船で島前の西ノ島へ。別府港周辺を散策

昼過ぎ発の高速船レインボージェットに乗船

島後から島前への移動はフェリーで約1時間、高速船で約30分 ※写真はフェリーから見た景色

西郷港周辺の食事処でランチをとって、レンタカーを返却、次の目的地・島前の西ノ島町へ向かいます。移動方法はフェリーと高速船レインボージェットの2種類があり、それぞれ、季節によってダイヤが異なるので注意が必要です。フェリーでは天気が良ければ船上から島後と島前の島々を同時に眺めることができ、開放的で快適な船旅が楽しめます。

 

<次のスポット[黒木御所阯]まで>

徒歩で約5~10分

別府港着。周辺を散策してから宿泊

別府港からすぐの黒木御所阯へ向かう遊歩道からの景色

別府港に到着したら、この日は、徒歩で海を眺めながらゆったり港近くを散策します。港の周辺にある「黒木御所阯」や「西ノ島ふるさと館」などを訪れてみるのもいいでしょう。別府港周辺に宿が点在しているので、到着後はチェックインしてからのんびりと島時間を満喫してください。

3日目午前:西ノ島町の国賀海岸周辺を観光

国賀浜の絶景を堪能

隠岐諸島を代表する風景のひとつ・通天橋

国賀浜の景観。写真右の尖った奇岩が観音岩

レンタカーで国賀(くにが)海岸へ向かいます。国賀浜園地の駐車場に車を停めて遊歩道を行けば、そこには、ジオパーク・隠岐を象徴する景色ともいえる世界が広がっています。海蝕作用によって生まれた「通天橋」や、百済観音を思わせることからその名がついたといわれる「観音岩」など、地球が造り出した景観は迫力満点!  周囲の青く澄んだ海との美しいコントラストを楽しみましょう。

 

<次のスポット[摩天崖]まで>

徒歩で約1~2時間

摩天崖まで続く遊歩道を歩く

遊歩道周辺には放牧されている牛馬が暮らしている

どこを撮っても画になる景色

通天橋から海抜257mの摩天崖までは「摩天崖遊歩道」でつながっています。ゆっくり歩けば1時間以上はかかる道程ですが、西ノ島町に来たなら、ぜひ頑張って歩いて欲しい場所です。切り立った断崖と雄大な日本海、なだらかな放牧地でゆったり草を食む牛馬たちなど、目に入るすべての景色が素晴らしく、隠岐の魅力を凝縮したようなエリアだといえるでしょう。

日本でも有数の大絶壁に到着

写真の断崖絶壁の景観は遊歩道からしか見られない

「摩天崖遊歩道」の終点は海抜257m、巨大なナイフで垂直に切り取ったような日本有数の大絶壁「摩天崖」です。展望台からの眺望は、地球の丸さを感じるほど広々とした開放感のある世界! ここで注意して欲しいポイントは車の扱いです。国賀浜園地の駐車場に停めている場合、摩天崖到着後、駐車場まで同じ道を徒歩で戻らなければなりません。そのため、摩天崖を眺望できる場所で引き返し、再度、車で摩天崖駐車場まで移動(車での移動時間は15分程度)して、周辺の遊歩道を散策するという方法もあります。

 

■スポット情報

通天橋(つうてんきょう)

住所:島根県隠岐郡西ノ島町浦郷

アクセス:別府港から車で約25分

滞在所要時間:20分目安

 

観音岩

住所:島根県隠岐郡西ノ島町浦郷

アクセス:別府港から車で約25分

滞在所要時間:20分目安

 

摩天崖遊歩道(まてんがいゆうほどう)

住所:島根県隠岐郡西ノ島町浦郷

アクセス:別府港から車で約25分

滞在所要時間:1時間30分目安

 

摩天崖(まてんがい)

住所:島根県隠岐郡西ノ島町浦郷

アクセス:別府港から車で約25分

滞在所要時間:20分目安

 

<次のスポットまで>

車で約25分

3日目午後:フェリーで西ノ島町から七類港へ

ランチは磯の香りたっぷりのさざえ丼

名物のさざえ丼は食感を楽しんで

暖流と寒流が流れる好漁場で、いたるところに岩礁が広がる隠岐は、良質のサザエやアワビ、ナマコなどの磯の魚介類が豊富です。その代表格がサザエで、ミネラル豊富な海藻のアラメなどを食べて育つサザエは絶品です。隠岐地方ではこのサザエを贅沢に、丼にてんこ盛りにして食べる料理があります。店によって刺身や火を通して食べたり色々ですが、旅の行程のどこかのタイミングでぜひ一度試してほしい、おすすめ島グルメです。

 

<次のスポットまで>

徒歩で約5分+フェリーで約2時間30分

西ノ島からフェリーで松江市の七類港へ

約50㎞の船旅を満喫しよう

本土の松江市の七類港へ戻るフェリーに乗船。鳥取県の境港へ到着する便もあります。今回のモデルコースでは島後と島前の西ノ島町の2島を巡るプランを紹介しましたが、隠岐諸島4島すべてを観光するなら、4泊5日ぐらいはほしいところです。