宝島の北東にある小宝島はサンゴ礁が隆起した島。コバルトブルーの海沿いにそびえる「赤立神」「うね神」などの奇岩や、岩礁から湧く温泉などを満喫できます。その次は5時間半ほどの船旅で一気に北上、吐噶喇列島最北端の火山島・口之島へ向かいます。白い屋根の民家が連なる集落が印象的な島で、初夏には島固有のタモトユリが開花するなど豊かな自然も魅力です。
Summery
1日目午前:村営定期船フェリーとしま2で小宝島へ
ここから4泊5日秘境ツアーがスタート
2018年に就航した村営定期船フェリーとしま2の船内は、青を基調とした明るい雰囲気で、海の生き物のイラストも旅の気分を盛り上げてくれます。早朝に開店するレストランや、軽食購入可能な自販機も船内にあります。最初の目的地・小宝島へは約12時間、ほぼ半日かけての移動です。なお、乗船チケット(下り)は事前予約可能ですが、運航日(月・金曜)に鹿児島港南ふ頭にある「としま旅客待合所」での受け取りとなります。また訪問が1島のみの場合は「としま旅客待合所」で往復チケットを購入できますが、複数島を訪問する際のチケットは各島の出張所で出港前日に購入(予約不可)が必要なのでご注意ください。
※詳細は下記にお問い合わせください。
<次のスポット[小宝島]まで>
フェリーで約12時間
1日目午後:海水浴を楽しんだ後は聖なる奇岩を鑑賞
南の島の海と景色をたっぷり満喫しよう
午前中に小宝島に到着。徒歩で1周できる周囲約4Kmの小さな島です。宿にチェックイン後、サンゴ岩でできた「赤立神海水浴場」へ向かいましょう。岩場に囲まれた砂浜のない海水浴場ですが、波は穏やかで透明度の高い海はシュノーケリングに最適です。海水浴後は「うね神」とよばれる島のシンボル的存在の岩山を見に行きましょう。裾野では牛が放牧されており、のどかな風景に心が癒されます。
■スポット情報
赤立神海水浴場(あかたちがみかいすいよくじょう)
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村小宝島28
アクセス:小宝島港から徒歩約8分
滞在所要時間:2時間目安
うね神(うねがみ)
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村小宝島21-23
アクセス:小宝島港から徒歩約10分
滞在所要時間:15分目安
<次のスポット[湯泊温泉]まで>
徒歩約8分
1日目午後:野趣満点!波音を聞きながら温泉三昧
岩礁から湧き出る、開放感100%の天然温泉
エメラルドグリーンの海を満喫したら、次は海沿いに湧く乳白色の温泉を堪能します。基本的に混浴ですが、入口にある表札で先客の有無を確かめられるので安心です。温泉に浸かったあと、徒歩5~6分の所にある「小宝神社」に参拝すると子宝に恵まれるといわれています。またすぐ近くには「マショの湯」という塩分の高い温泉も湧いています。この温泉で塩作りが行われていて、小宝島の特産品にもなっています。入浴後は水平線に沈む夕日を眺めながら宿へと戻り、翌朝の移動に備えましょう。
■スポット情報
湯泊温泉(ゆどまりおんせん)
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村小宝島106
アクセス:小宝島港から徒歩約10分
滞在所要時間:30分目安
<次のスポット[西之浜漁港]まで>
フェリーで約6時間30分
2日目:口之島へ移動、島内散策
海・山レジャー満載の口之島に到着!
次の目的地・口之島へのフェリーは早朝、まだ夜も開けぬうちの出港です。デッキに出て日の出を拝むなど、思い思いの時間が過ごせるのもよいですね。口之島・西之浜漁港到着は昼前となるので、船内のレストランで朝食を済ませておくといいでしょう。宿のある集落までは徒歩で30分ほど、散策も兼ねて向かいましょう。
目指すのは坂道の先にある湧き水スポット
西之浜漁港から集落までは上り坂が続くので、歩きやすい靴を選びましょう。しばらく進むと、本土とは違う特徴的な風景として白い屋根の民家が見えてきます。ほかの島でも見かけますが、口之島の民家は密集しているためか特に白色が目立つようです。そんな集落を眺めながら島中心部あたりに着くと「カワ」という水場が現れます。最初に訪れた小宝島には川がありませんが、水が豊富に湧く口之島ならでは場所といえます。大きなガジュマルの下に湧くこの泉は、昔は飲料水として利用されていました。今でも野菜を洗ったり、子どもたちが水遊びをしたり…と、変わらず島民憩いの場となっています。
■スポット情報
カワ(湧き水)
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村口之島
アクセス:西之浜漁港から車で約10分
滞在所要時間:10分目安
<次のスポット[フリイ岳]まで>
車で5分、展望施設まで徒歩で約20分
3日目:フリイ岳トレッキング&北緯30度線を訪ねる
展望台から見える大パノラマに感動
2日目はフリイ岳トレッキングを楽しみます。標高は235m、遊歩道が整備されていて、左右に広がる東シナ海と太平洋を眺めながら山頂を目指すコースです。階段が多く人によってはハードかもしれませんが、登り口から20分ほどで山頂に到着です。展望台から360度のパノラマ景色を堪能したら、持参の弁当を広げてランチタイムにしましょう。下山後は、ひと足のばして北緯30度線モニュメントへ。第二次世界大戦後、フリイ岳を含む北緯30度以南がアメリカ合衆国の統治下になった歴史を伝えるモニュメントです。
■スポット情報
フリイ岳展望施設
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村口之島
アクセス:西之浜漁港から車で約5分
滞在所要時間:2時間30分目安
北緯30度線モニュメント
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村口之島
アクセス:西之浜漁港から車で約10分
滞在所要時間:15分目安
<次のスポット[平瀬海水浴場]まで>
車で約10分
4日目午前:天然リーフのプールでシュノーケリング
かわいい魚と一緒に泳ぎたいならココへ
口之島滞在も残り僅か。午前中は西之浜漁港近くにある「平瀬海水浴場」で磯遊びを楽しみます。西之港漁港から徒歩で向かいやすく、東屋やトイレ・シャワーも完備の海水浴場です。ここは普通の海水浴場とは違い、潮が引くと姿を現すサンゴ礁をくり抜いて作った人工のプールです。干潮時のプールには小魚がたくさん入り込んで泳いでいます。透明度の高い海で魚と一緒に泳げると人気のスポットです。
■スポット情報
平瀬海水浴場
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村口之島4
アクセス:西之浜漁港から徒歩13分
滞在所要時間:2時間目安
<次のスポット[セランマ温泉]まで>
車で約35分
4日目午後:森の中の秘湯へ
亜熱帯の森で源泉かけ流しの湯を堪能
夕方から島の南西部、燃岳の麓にある「セランマ温泉」へ。この温泉の泉質は硫酸塩泉で、皮膚病や切り傷に効能があるそうです。温泉は利用者自身で溜めるようになっているため、お湯が溜まるまでの間、亜熱帯植物が生い茂る周辺を散策するのもいいでしょう。入浴を楽しんだ後はお湯を抜き、掃除も忘れずに行ってください。自然の中の温泉で癒されたら、宿へ戻ります。
翌日は11時35分出港のフェリー(乗船時間は約7時間)で鹿児島港へ戻り、4泊5日の旅はこれで終了です。
■スポット情報
セランマ温泉
住所:鹿児島県鹿児島郡十島村口之島487
アクセス:西之浜漁港から車で約30分
滞在所要時間:30分目安