本土から切り離された国境の島々には、隔絶された環境だからこそ残された手つかずの大自然、火山活動や海蝕など島の成り立ちそのものに連なるダイナミックな地形が豊富にみられます。北から南まで、最果ての離島ならではのストーリーをもつ絶景ビューはこちら。
礼文島の花畑から望む利尻島
可憐な高山植物と利尻富士の絶景コラボ
礼文島には、島の自然を間近に感じられる7本のトレイルコースが設定されています。その中でも人気が高い「桃岩展望台コース」や「礼文林道コース」では、レブンキンバイソウやミヤマキンポウゲなどの可憐な高山植物と、海を隔てて秀峰・利尻山がそびえる利尻島を同時に眺めることができます。特に「桃岩展望台コース」は、礼文島で見られるほとんどの高山植物が咲くという島内でも屈指の花畑観賞ルート。“花の浮島”と称される礼文島らしい景観が広がります。
奥尻島のなべつる岩と“奥尻ブルー”
透明度の高い海から顔を出す不思議な岩
奥尻島の海岸線には、長い年月と自然が作り出した奇岩の数々が点在しています。島のシンボル・なべつる岩もそのひとつ。鍋の取っ手のような形もさることながら、頂上に生えている植物(ヒロハノヘビノボラズ)が、一層の不思議さを感じさせます。この奇岩を際立たせるのが、水深25mの高い透明度を誇る海。海底のウニが見えるほど澄んでおり、その美しい青色から「奥尻ブルー」という呼び名も。澄み切った海と奇岩の、奥尻を代表する景勝を楽しみましょう。
青ヶ島の池之沢地区
カルデラの中から一望!ダイナミックな火山地形
伊豆諸島南部エリアにある青ヶ島は、外輪山と内輪山からできた世界的にも珍しい二重カルデラ構造が特徴的な島です。外輪山の内側には、天明5年(1785)の天明の大噴火によってできた丸山とよばれる内輪山があり、カルデラ特有の地形が望めます。すぐ近くに海が広がっているとは思えないほど豊かな自然と、水蒸気が吹き上がる「ひんぎゃ」という穴が随所で見られ、火山の息吹を感じられます。周辺には遊歩道が整備されており、約20分で散策することができます。
外輪山の内側から見る星空シアター
日本一人口の少ない村である青ヶ島村は、星空観測でも有名です。島民が住む集落は外輪山の外側にあるため、外輪山の内側に広がる池之沢地区からは集落の明かりに邪魔されずに夜空いっぱいの星空が望めます。お椀型になったカルデラ地形の内側から見ると、まるで天然のプラネタリウムのようです。
隠岐諸島・島後のローソク島
夕日が灯るローソク島で、奇跡の景観に魅了
隠岐諸島は、3つの島からなる「島前(どうぜん)」と、最大の島である隠岐の島町「島後(どうご)」に分けられます。この島後の北西の沖合に、海から約20mの高さでそびえ立つローソク島があります。岩の先端に夕日が重なるその瞬間、まるで一本の巨大ローソクに火を灯したかのように、大自然の輝きをみせます。ベストショットはもちろん船上からがおすすめ!4月1日~10月31日の期間中は、福浦岸壁と赤崎岸壁から「ローソク島遊覧船」(要予約)が運航されています。船長からのアドバイスを聞いて奇跡の景観をおさえてみましょう。
※「ローソク島遊覧船」については、下記で詳細をご覧ください。
屋久島の白谷雲水峡
神秘的な美しさの白谷雲水峡
トレッキングコースとしても人気の「白谷雲水峡」では、鬱蒼とした森と苔むした岩、清流が織りなす神秘的な世界を体験しましょう。主に白谷川に沿って登り、途中では二代大杉やくぐり杉などの屋久杉や、珍しい樹木や植物にも数多く出合えますし、屋久島で確認された600種類近い苔の多くは、ここ白谷雲水峡で見ることができます。体力に自信があれば標高1050m地点の太鼓岩まで挑戦してみてください。晴れた日には屋久島の森を見渡すことができます。
詳細は下記にお問い合わせください。
硫黄島の赤褐色の海
港が赤褐色に染まる硫黄島・硫黄島港
初めて硫黄島を訪れる人がまず驚くのが、フェリーの発着する硫黄島港の赤褐色に染まった海水の色です。鉄分を多く含んだ温泉水が噴出して海水と化学反応を起こすために生まれる現象ですが、この珍しい光景は訪れた人を圧倒します。海水の色は満潮や干潮、大潮や小潮、風向きなどの気象条件によっても表情を変えるので、何度見ても見飽きることがありません。