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ジオパーク・活火山など、荒々しい大地のエネルギーを体感できる島

三宅島(東京都)壱岐島(長崎県)西ノ島(島根県)口永良部島(鹿児島県)下甑島(鹿児島県)諏訪之瀬島(鹿児島県)嵯峨島(長崎県)

周囲100m以上の島が約6800もある日本列島。大陸側プレートと海洋プレートの狭間で複雑な地殻変動を繰り返してきた痕跡でもある、国境の島々では、現役の火山活動や外洋の荒波に日々削られる海蝕など、大地のエネルギーを目の当たりにすることができます。

Summery

大断崖・奇岩が立つ隠岐諸島・西ノ島町

大自然が創り出した造形の妙に感動!

遊覧船から大断崖・奇岩を眺める貴重な体験も可能

ユネスコ世界ジオパークに登録されている西ノ島町の西海岸一帯は、大断崖・奇岩がそそり立つエリアです。中でも「通天橋」は自然が創り出した天然のアーチ橋。岩石の中央部が海蝕作用によってえぐられたダイナミックな景観は必見です。また長さ200m以上に及ぶ天然のトンネル「明暗の岩屋」は、イタリア・カプリ島にある「青の洞窟」に勝るとも劣らない洞窟といわれるスポットです。また、百済観音の姿にも見えることから「観音岩」と呼ばれる奇岩も要チェック。各景勝地を巡る遊覧船が運航しているので、海上から眺めるのがおすすめです。

火山島ならではの景観が魅力の五島列島・嵯峨島

ダイナミックな火山海蝕崖が広がる嵯峨島

玄武岩質火山に見られるなだらかな山が広がっている

美しい岩の層が特徴の千畳敷は観光スポット

嵯峨島は、福江島の西にある貝津港から船で約13分の場所に位置する周囲12kmの小さな島です。北の男岳、南の女岳の2つの火山が裾野で繋がり、火山島としての美しい景観が広がっています。とくに千畳敷は、火山噴出物が幾重にも重なることで、ミルフィーユのような独特の景観を創り出しています。島民の3分の1はカトリックで、民家を思わせる嵯峨島教会で、敬虔な祈りがささげられています。

下甑島のナポレオン岩

ニョキっと顔を出す姿はまるで「ナポレオン」みたい!?

下甑島のシンボル的存在の奇岩

奇岩・巨岩が多い甑島列島の中でも特に有名なのが、下甑島の西方、瀬々野浦集落沖合海上に突き出ているナポレオン岩です。高さ127mのこの奇岩は、フランスの皇帝・ナポレオンの横顔に似ているところから名付けられました。瀬々野浦にある「前の平展望所」はナポレオン岩を真っ正面から見ることができるビュースポットです。10名以上での予約が必要ですが、中甑港から出港するクルーズ船を利用すれば海上から間近で見ることもできます。

壱岐島の奇岩が造り出す自然アート

猿と鬼が存在する壱岐島の奇岩

頭から背中にかけて生える草木も、猿を見事に描いている

鬼の右足跡と伝わる奇岩がある牧崎公園は夕日が美しいスポット

壱岐島の西にひと際目立つ奇岩があります。高さ45mの巨大な岩は、遠く海を見つめる「猿」にそっくりです。玄武岩で構成されたこの岩の誕生には、壱岐の島が流されないように8本の柱を立て繫いだといわれています。そのうちの一本がこの猿岩だと伝わっています。
西の方にはもうひとつ、鬼の足跡と伝わる奇岩があります。玄武岩の海蝕崖上の草原に、周囲110mの馬蹄形状の穴が空いています。これは洞の先端部分が陥没してできた穴ですが、伝説の鬼が鯨をすくい捕るために踏ん張ってできた鬼の足跡と呼ばれています。

三宅島の新鼻新山

一夜にしてできた荒々しい火砕丘

丘が黒いのは火山噴出物のスコリアによるもの

約20~60年周期で噴火を繰り返す活発な活火山の三宅島は、溶岩や火山岩による迫力ある景観や独特の自然環境が見られます。代表的な景勝地のひとつである新鼻新山(にっぱなしんざん)は、昭和58年(1983)の海底噴火の際に隆起し、スコリアが降り積もり一晩でできたという奇景です。海側が削られ、荒々しい断面が観察できます。溶岩の赤と黒の地層と海と空のブルーのコントラストが見事です。

口永良部島の噴煙を上げる新岳

今も活発に活動する“緑の火山島”

現在、登山などの立入りは禁止されている

屋久島の西方約12kmに浮かぶ口永良部島は、照葉樹林に覆われた景観から“緑の火山島”と呼ばれています。「新岳」「古岳」の2つの活火山があり、現在も活発に活動しているのが島の中央に位置する新岳です。2015年には噴煙が9000m以上にも達する爆発的噴火を起こしましたが、現在は 火口から概ね2km以内が立入禁止という、噴火警戒レベル3となっています。島には5か所の温泉があり秘湯マニア憧れの地でもあります。来島前に気象庁の公式サイトで最新の噴火警戒レベルなど火山活動情報を把握しておきましょう。

吐噶喇列島・諏訪之瀬島の御岳

マルバサツキが群生する火山島

海上から見た御岳。島のシンボルでもあり驚異でもある

吐噶喇列島の島々には「御岳(嶽)」と名づけられた山が複数ありますが、活発に活動している活火山といえば「諏訪之瀬島の御岳(おたけ)」です。標高は796m、島の中央にそそり立つ島のシンボルですが、文化10年(1813)には大噴火を起こして全島民が島外に避難してしまい、明治期に入植者があるまで無人島だったという歴史もあります。頻繁に噴火し降灰もありますが、集落の人々は安全に暮らしています。2021年3月現在、火口付近周囲1Kmが立入禁止ですが、状況により変化するため、トレッキングを行う場合は必ず気象庁の公式サイトで最新情報の確認を行ってください。