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希少な鳥にも出合える!バードウォッチングにおすすめの離島

三宅島(東京都)見島(山口県)舳倉島(石川県)対馬(長崎県)御蔵島(東京都)

広大な海原のただ中で本土から隔絶され、水や森林に恵まれた環境がふんだんにある離島は、鳥たちにとって憩いの楽園。何千キロメートルも旅をする渡り鳥なら、大陸や日本列島を行き来するうえで貴重な中継地点にもなります。ここでは、バードウォッチングにおすすめの島をご紹介。

Summery

御蔵島のオオミズナギドリ

御蔵島で子育てをする海鳥・オオミズナギドリ

全長49㎝、翼を広げると120㎝ほどの海鳥で、陸地から飛び立つのが苦手

日本近海のみで繁殖するオオミズナギドリの世界最大の繁殖地が御蔵島です。秋から冬を南アジアやオーストラリアなど南方の温かい地域で過ごし、御蔵島には2月下旬から4月ごろに飛来し、子どもを産み育てます。島を訪れた際には、船の上から華麗に飛ぶ姿や海上でひと休みする姿が見られます。夜には森の巣穴に戻るため、鳴き声が聞けたり、巣穴へ戻っていく姿を観察できます。

三宅島のアカコッコとオーストンヤマガラ

国指定天然記念物のアカコッコ

三宅島では「アカッパラ」ともよばれる鳥

250種類以上の野鳥が確認されており、野鳥の生息密度がとても高い三宅島は、バードアイランドともよばれています。バードウォッチングが盛んなこの島の鳥のなかでも、アカコッコはとくに有名です。伊豆諸島や吐噶喇列島など限られた地域にのみ生息する日本固有種で、三宅島で多く見られます。お腹の赤褐色とクチバシと目の周りの黄色が特徴的で、かわいらしい顔をしています。島内のさまざまな場所で見られますが、なかでも自然観察施設「アカコッコ館」や大路池で観察しやすいです。

伊豆諸島の一部でのみ見られるヤマガラ

色鮮やかなオーストンヤマガラ。絶滅危惧種にも指定されている

スズメと同じくらいの大きさの野鳥で、三宅島、御蔵島、八丈島、式根島のみに生息しています。本州のヤマガラの亜種で、体長が少し大きく、顔の色が赤褐色なのが特徴です。バードウォッチングスポットとして知られる大路池や薬師堂など、照葉樹の森の中で観察することができます。

渡り鳥の楽園・舳倉島

多くの渡り鳥が観察できる鳥の楽園

本土ではほとんど見られない種も渡来

舳倉島は石川県輪島市にある離島です。周囲が5kmほどの小さな島ですが、この地で羽を休める渡り鳥は300種類を超え、日本の渡り鳥として分類される鳥の多くを見ることができるといわれています。4月下旬から5月中・下旬と、9月下旬から10月下旬がベストシーズンで、春はヤツガシラ、ヤマショウビン、コウライウグイスなど、秋はユキホオジロ、オオモズ、シラガホオジロなどが観察できます。島の内陸部には「野鳥観察舎」もあるので、ここでゆっくり腰を落ちつけて小鳥たちを待ってみるのもおすすめです。

冬鳥と夏鳥が観察できる聖地・見島

渡り鳥が翼を休める絶好の場所

バードウォッチャーが憧れるヤツガシラが観察できることも

対馬暖流の影響から、山口県の最北端にありながら比較的温暖な気候である見島。日本海側の渡り鳥のコースにあたるため、長崎県対馬・石川県舳倉島とともに日本でも有数の珍しい渡り鳥がみられる島として、バードウォッチャーに人気があります。中でも4~5月はベストシーズンで、北の繁殖地に帰る冬鳥、南の繁殖地に渡る夏鳥を同時に観察することができます。カワセミやオオルリ、バードウォッチャーの憧れのヤマショウビンやヤツガシラも見られるかもしれません。

対馬で見られる渡り鳥のアカハラダカ

秋だけに出合える野鳥アカハラダカを観察

オスは黒目で、つぶらな瞳が特徴で、メスは黄色いアイリングが入っている

タイミングが合えば、写真のような群れに遭遇することも

中国大陸や朝鮮半島で夏を過ごし、暖かい東南アジアで越冬するアカハラダカは、渡りの最中に訪れる対馬で観察することができます。全長約30㎝、ハトほどの大きさしかない小型のタカですが、群れで移動し、9月の1カ月で10万羽を超えることもあります。観察場所は、対馬市厳原町の内山峠アカハラダカ観察所がおすすめです。肉眼では確認しにくい場合もあり、8倍程度の双眼鏡を持参するのがよいでしょう。観察ピークは朝6時~と、朝10時~です。その愛らしい姿をぜひ見に訪れてみてください。