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島のごちそう・島に伝わる郷土料理

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海に囲まれた島のご馳走といえば、水揚げされたばかりの新鮮魚介やその保存食文化。太陽と潮風が育む島の食材を使った伝統の郷土料理も楽しみです。島では当たり前の味覚でも、訪れる人にとっては、大変な贅沢。そんな離島ならではの美食はいかが?

Summery

礼文島のウニ丼

北の海の宝石、うま味濃厚な礼文島のウニを丼で

ひと口頬張れば、旨みと甘みが口一杯に広がる礼文島のウニ丼

北の海鮮グルメの宝庫・礼文島を代表する海の幸といえば、黄色く輝く生ウニです。寒流のリマン海流と暖流の対馬海流がぶつかる栄養豊富な海で、最高級の利尻昆布を食べて育つウニは、驚くほどのおいしさ。漁期が6~9月のキタムラサキウニと6~8月のエゾバフンウニの2種類が獲れ、前者はあっさりクセのない味わい、後者は濃厚な旨み、甘みが特徴です。島の食堂では、とれたてをウニ丼で提供しています。漁期限定の島の味を堪能しましょう。

奥尻島の三平汁

具だくさんの三平汁は、奥尻島のソウルフード

広く道内で食べられている三平汁。魚から出る塩味が味の決め手

塩蔵のホッケやタラとジャガイモ、ニンジンなどの野菜で作る三平汁。魚から出る塩味をベースにした素朴な汁物です。奥尻島など檜山地方に伝わる郷土食であり、一説には室町時代後期、島に流れ着いた松前藩祖の武田信広に島民の三平さんが振る舞ったことから、この名がついたといわれています。奥尻島では、2005年に「奥尻島元祖『三平汁』研究会」が発足、調理師会や行政関係者らの有志が集って地元の「元祖三平汁」を見直し、盛り立てていこうと活動しています。

八丈島の保存食「くさや」と島寿司

塩の節約によってできた保存食・くさや

島焼酎とも相性のよいアオムロアジのくさや

伊豆諸島の名産として知られるくさやは、この地方独特の干物です。もともと、塩をまぶして干していましたが、貴重な塩を節約するため、魚を付ける塩水を何度も使っているうちに魚のエキスが加わり、発酵され独特のくさや汁ができました。八丈島では、地元で水揚されるアオムロアジやトビウオなどのくさやが定番です。八丈島のくさやは匂いが控え目でやわらかく食べやすいと評判です。

鮮度を保つ工夫が生んだ島寿司

トビウオやメダイ、岩海苔が島寿司の定番のネタです

近海の旬の魚介を醤油ベースのタレで漬けにして、ワサビではなくカラシで食べる島寿司は島を代表する郷土料理のひとつです。元々は船で沖へ出る際に、鮮度を保つために作られ、当時はワサビが手に入りにくかったため、カラシを使用するようになったといわれています。甘めの寿司酢をきかせたシャリと、新鮮な漬けのネタとの相性がよく人気が高い料理です。島内の寿司店や多くの飲食店でも味わうことができます。

見島の郷土の味・ぐべ汁とうに飯

ウニや貝など海の幸を使った郷土料理を満喫

磯の香りがふわりと広がるぐべ汁は必食

近海で獲れるウニやサザエを炊き込んだうに飯

対馬暖流の影響により魚介類が豊富にとれる見島では、さまざまな海の幸を使った郷土料理を楽しむことができます。なかでも、生ウニとサザエを入れて炊き込んだうに飯は、甘さ・香り・コクとも最高の品質の逸品です。一方、ぐべ汁は沿岸部の磯や港の防波堤に付着している「ヨメガカサ」といわれる直径2~3cmの貝を、だしと具材として調味した白味噌仕立ての貝汁です。濃厚な磯の味と香りが口いっぱいに広がる秀逸な味わいを、ぜひご堪能ください。

五島列島・中通島の五島手延うどんとアゴ、クジラ料理

伝統の製法で作る五島手延うどん、捕鯨の歴史を感じる鯨料理

五島手延うどんは熱々茹でたてを生卵やアゴだしで味わう「地獄炊き」がおすすめ

アゴは島の味といっても過言ではないほどよく食べられている

クジラ肉は貴重な栄養源だった

五島手延うどんは遣唐使時代に五島列島に伝わったといわれ、海塩、椿油など五島の素材を使い、代々受け継がれた製法を守り続けている郷土料理です。
五島手延うどんにも合うアゴ(トビウオ)は、秋に最盛期を迎える新上五島町の名産品。焼きアゴからとっただしは上品な旨みで濃厚な味わいです。
鯨料理も中通島の名物。島の捕鯨の歴史は古く、約400年前に始まりました。今でも鯨料理を提供する店が点在し、赤肉やさえずりのほか珍しい部位も味わえます。

五島列島・江島と平島のイセエビ

大物は2㎏超えのイセエビの産地

五島列島のイセエビは全国各地から人気が高い

長崎本土と五島列島・中通島の間にある江島・平島は周囲を好漁場に囲まれ、かつて捕鯨で栄えていましたが、現在はイセエビ漁が盛んで、長崎県内有数の漁獲高を誇るほどです。五島灘の海流に揉まれて身が引き締まり、その多くが1kg超と立派で、なかには2kgを超えるほど大きいことでも有名です。身は甘くプリプリとした歯ごたえがあり、刺身や味噌汁で味わうのがおすすめです。

三島村(硫黄島、竹島、黒島)の大名タケノコ

お殿様しか食べられなかった大名タケノコ

豪快に皮ごと直火で焼くと、中はホクホクに焼きあがる

三島村の特産品である大名タケノコ(リュウキュウチク)は、4~5月に硫黄島、竹島、黒島と収穫をはじめます。大名タケノコの名前の由来は、その昔、大名しか食べられない希少なタケノコだったためだとか。現在では、肉質が軟らかくてアクが少ない、味のなじみも良い高級食材として、鹿児島市内をはじめ首都圏などに青果として出荷されるほか、加工品にも利用され、三島村の特産品として親しまれています。