後鳥羽上皇・後醍醐天皇配流の地としても知られる隠岐諸島。島前の3島(西ノ島町、海士町、知夫村)にもゆかりのあるスポットが多く残されています。このプランは、そんな歴史ロマンあふれる神社や史跡などを中心に観光する2泊3日のコースです。
Summery
1日目午前:七類港からフェリーで西ノ島町の別府港へ
別府港到着後すぐ港でレンタカーを借りる
西ノ島町到着後、別府港周辺でレンタカーを借りてからランチをいただきます。隠岐の海の幸は、サザエやアワビ、岩ガキ、バイ貝などの磯物に加えて、アゴ(トビウオ)、白イカ、メバル、ノドグロなど数え上げたらきりがないほどの絶品素材が揃っています。各港近くには、水揚げされたばかりの新鮮魚介がいただける食事処や、生ものをはじめ干物などのみやげが買えるショップなどもあるので、ぜひチェックしてください。
※隠岐島前3島は、時間に余裕があればレンタサイクルでの移動もおすすめです。出発前の計画で選択肢のひとつとして検討してみてください。
<次のスポット[焼火神社]まで>
車で約20分+徒歩で約30分
1日目午後:西ノ島町の歴史スポットを巡る
後鳥羽上皇ゆかりの神社を訪ねる
隠岐最古といわれる木造建築で、国の重要文化財に指定されている「焼火神社」へレンタカーで向かいます。駐車場から社殿までは遊歩道を30分ほど歩きます。手つかずの自然が残る森の中に忽然と現れる焼火神社は、後鳥羽上皇が航海中に遭難しかかった時、御神火で導かれたという伝説が残るミステリアスな古社です。杉の巨木に囲まれるようなロケーションはもちろん、まるで岩盤にめり込むように立つ姿がとても印象的です。
<次のスポット[由良比女神社]まで>
車で約25分
隠岐国一宮にお参り
隠岐国一宮に定められた由緒ある神社へ向かいます。漁業・海上の守護神として島民の信仰を集める「由良比女神社」には“イカ寄せ伝説”とよばれる興味深い伝説が残っています。一説によれば、国づくりの神様だった由良比女命(ゆらひめのみこと)が出雲大社から隠岐に帰る途中、イカに手を噛まれいたずらをされたことで、その詫びとして毎年、神社のすぐ目の前の由良の浜にイカの大群がやって来るようになったと伝わっています。
<次のスポット[黒木御所阯]まで>
車で約10分
後醍醐天皇の行在所跡を見学
1日目の最後は、別府港周辺の歴史スポットを訪ねます。「黒木御所阯」は隠岐に配流された後醍醐天皇が脱出までの1年余りを過ごされた行在所阯であると「太平記」の中に記されています。史跡の入口には「碧風館」という資料館が立ち、天皇に関する資料や黒木御所についての文書、絵画などが展示されています。歴史に興味があればぜひ立ち寄ってみてください。
■スポット情報
焼火神社(たくひじんじゃ)
住所:島根県隠岐郡西ノ島町焼火山
アクセス:別府港から車で約20分、徒歩で約30分
滞在所要時間:20分目安
由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)
住所:島根県隠岐郡西ノ島町浦郷922
アクセス:別府港から車で約15分
滞在所要時間:20分目安
黒木御所阯・碧風館(くろきごしょあと・へきふうかん)
住所:島根県隠岐郡西ノ島町別府
アクセス:別府港から徒歩で約5分
滞在所要時間:40分目安
<次のスポット[中ノ島の菱浦港]まで>
高速船で約10分
2日目午前:内航船で海士町の菱浦港へ
西ノ島の別府港から内航船で中ノ島に渡る
中ノ島にはレンタカー店がないので、フェリーで車を持ち込むか、または高速船の場合は、後鳥羽天皇ゆかりのスポットまで自転車で20分程度で回れるので、港のレンタサイクルを利用するのもおすすめの方法です。島の北側の景勝地「明屋(あきや)海岸」や島を代表する古社の「宇受賀命(うづかみこと)神社」まででも30〜40分程度で行くことができます。
<次のスポット[隠岐神社]まで>
レンタサイクルで約20分
レンタサイクルで後鳥羽天皇ゆかりの地を訪問
承久の乱によって隠岐に配流された後鳥羽上皇は、在島19年後の延応元年(1239)2月に60歳で崩御されました。祭神として後鳥羽上皇を祀る「隠岐神社」は、崩御後700年を記念して建てられた神社です。本殿は隠岐造りとよばれる独特の建築様式を採用しており、重厚感のある建物が強い存在感を放っています。隠岐神社に隣接する「後鳥羽天皇御火葬塚」には、天皇の遺骨の一部が納められているので、「行在所跡」や、後鳥羽上皇に仕えていたといわれる「村上家の資料館」などとともに回りたいスポットです。
<次のスポット[菱浦港]まで>
レンタサイクルで約20分
菱浦港周辺で隠岐牛ランチ
隠岐島生まれ、隠岐島育ちの未経産の牝牛を隠岐牛と呼び、日本全国に320以上もあるといわれるブランド和牛の中でもトップクラスの肉質を誇るといわれています。隠岐牛は子牛を育てる環境と肥育する環境を変えないことで、牛にストレスがかかりにくく、結果として最高級のブランド牛に育つのです。隠岐牛は島前・島後の食事処や宿泊施設などでいただくことができます。
■スポット情報
隠岐神社
住所:島根県隠岐郡海士町海土1784
アクセス:菱浦港からレンタサイクルで約20分
滞在所要時間:20分目安
後鳥羽天皇御火葬塚(ごとうばてんのうごかそうづか)
住所:島根県隠岐郡海士町海土1500
アクセス:菱浦港からレンタサイクルで約20分
滞在所要時間:20分目安
<次のスポット[知夫村(ちぶむら)]まで>
島前内航船で約10分
2日目午後:島前内航船で知夫村の来居港へ。来居港周辺を散策
島前をつなぐ内航船で知夫村に渡る
島前3島の間を行き来する内航船を利用すれば、島前間の移動ではかなり自由度が増します。今回は内航船を利用して島前3つ目の島・知夫里島の来居港(くりいこう)に到着です。港周辺のスポットは徒歩で巡れる範囲です。翌日はシンボリックな景勝地の赤壁へ向かいます。交通手段はレンタカーか、デマンド観光バスを利用する手もあります。
<次のスポット[天佐志比古命(一宮)神社]まで>
徒歩で約25分
港周辺を徒歩で散策
港から徒歩圏内の「天佐志比古命(一宮)神社」は、1000年以上の歴史を持つ後醍醐天皇ゆかりの古社です。知夫村の一宮の意味から“いっくう”の愛称で親しまれており、後醍醐天皇が配流の際に座って休憩されたと伝わる「お腰かけの石」があります。境内には隔年で歌舞伎奉納が行われる芝居小屋があるほか、春には鳥居付近の桜が美しいと評判です。
<次のスポット[河井の地蔵さんの水]まで>
徒歩で約8分
島民のくらしの清水を訪ねる
知夫村は海岸近くの井戸や、山頂付近の湧水など上質の水が豊富な島として知られています。その代表的なものが、「河井の地蔵さんの水」です。島根の名水百選に選ばれており、その水質は保証済みです。昔から飲料用や料理用の水として島民に利用されてきました。湧水はこれまで一度も枯れたことがないといわれています。
■スポット情報
天佐志比古命(一宮)神社(あまさしひこのみこと(いっくう)じんじゃ)
住所:島根県隠岐郡知夫村1018
アクセス:来居港から徒歩で約25分
滞在所要時間:20分目安
河井の地蔵さんの水
住所:島根県隠岐郡知夫村
アクセス:来居港から徒歩で約25分
滞在所要時間:10分目安
<次のスポット[赤壁]まで>
レンタカーで約20分
3日目午前:知夫村のシンボル・赤壁を見に行く
大迫力の名勝を訪ねる
旅の最後は、えぐりとられたような赤い岩肌が印象的な「赤壁」を観光します。はるか昔にこの場所に火山の火口があったことから、このような赤茶色の絶壁が生まれました。この景勝地の大きな特徴は、時間とともに変化してさまざまな表情を見せてくれること。特に夕日の時間には、岩肌の“赤”がより強調され、美しいドラマチックな世界を演出してくれます。4~10月には「赤壁サンセット遊覧船(要予約)」が利用できます。シーズンが合えば海上から、この感動的な光景を体験してみましょう。
■スポット情報
赤壁
住所:島根県隠岐郡知夫村
アクセス:来居港から徒歩で25分
滞在所要時間:30分目安
<次のスポット[来居港]まで>
レンタカーで約20分
3日目午後:内航船とフェリーを乗り継いで七類港へ
港周辺で食事をして内航船に乗船
知夫村の来居港から午後発の内航船で、西ノ島町の別府港へ。別府港でフェリーに乗り換えて本土の七類港を目指します。七類港は夕方に到着します。